病院へお見舞いに行った

 この病院はリハビリをする人など、たくさんのお年寄りが入院されている。
私が見舞ったのは九四歳なにがしの女性だ。だが、名前を呼んでも目を開けてくださらなかった。全然違う人みたいになっていて、悲しかった。
何か一心に手でまさぐって、布団を着てみたり剥ぐって見たり。全然自分の思うようにならず、しかめ面をして。無意識になさっているのだろうが、痛々しい感じだ。
その間、別の部屋のあちらで「あああ」こちらで「ぐぐぐ、、。」分けの判らない声が絶えずする。看護師さんや介護士さんが何回か部屋を出入りし、様子を見てくださる。なかなか大変な仕事だと感じた次第。
看護師さんが目薬を差して下さった。目を一寸開けたので「たっちゃんやで」と言ったが、またつぶってしまった。一時間弱、じっと見ていたが、目を開けそうにないので帰って来た。お見舞いも持って行ったが、これでは、渡せないと思って持ち帰った。また、ご家族に渡そうとおもって。