そのあとしばらくじっとしていた

三日目くらいかな。人がうとうとしているとき、隣のベッドに、入院中の誰かがやってきて、ぺちゃくちゃ話す。いい加減にしてくれ。ついつい文句を言ってしまった。「大きい声で話さないで」「すいません」と怒るように言って車いすで出て行った。夕方まで帰ってこなかった。次の日、その人熱出して、看護師さんに迷惑をかけていた。それ見ろ!言わんこっちゃない。

若い人が私より一日遅れて入院してきた。次の日大層言って手術室へ行った。何を手術したのだろう。丸一日絶対安静だったみたい。だが、もうはや退院するらしい。学校の先生か、いっぱいノートを持っていた。後ろ姿は見たけれど顔は見なかった。隣のお年寄り、熱を出しているのに電話がかかってきていた。「ふーんふーん。」と元気のない声で話していた。悪い友達だねぇ。

朝、掃除のおじさんがやってきて、掃除機をかけていったが、あんなのあかんねぇ。ばい菌をまき散らしているようなもんだよ。静かに床に収まっているばい菌を巻き上げているようなものだ。

どなたか、黒い服を着た人に言っといた。「病院の設備そのものが悪い。医院長にに言うといて」と言ったが気が付くだろうか。排ごみ用のパイプを壁の中に内蔵し、そこへ吸い取って外部に出す。病院にはそのくらいの配慮がいる。

「お母さん、来たでー」とけたたましい声で知らせてくる人が居た。看護師ではなさそう。若い彼女は話を聴いていると、高校生らしい。教科書らしきものをいっぱい持っていたはずだ。「整形で診察受けて帰ってね」と言うことの様でした。退院していった。何はともあれ、おめでとう。