隣りの家を訪ねて

中学生くらいの女の子が、隣の家を訪ねてきた。たまたま私はその子が歩いてくる姿が見えたので、縁側の戸を開けて「なに?」と尋ねてみた。「〇〇さんとこどこ?」と聞くので「すぐ隣」と答えた。だが待てよ、その子の行く方を戸を開けたまま見ていた。田舎の隣はずいぶん遠い。案の定、家の納屋の方に向かっている。「違う違う。もうちょっと南のその道」というと、来た道を戻ろうとする。「違う違う、そのまままっすぐ東へ。そうそうその道」と大声で言う。隣がわからんのかとも思うが、とにかく大きな納屋があったり、教え方も下手でもあるし、ま、とにかくおせっかいのようではあるが、無事に隣へ行きついてよかった。