入院日記5

12月7日火曜日 今日はお風呂へ入るぞ
 ご飯炊く 良い臭いして 目が覚める 今日は体調 大変よろしい。
臭いは宜しいが病院のご飯の味無いこと。仕方がないのかね。
朝の体温35.6度 平熱である。
 向かいの付き添い、大きな鼾を喀くかと思えば、今度はゴホンゴホンと大きな咳だ。
患者は静かに寝ているのに本当に迷惑な付き添いだ。二回目の時だ。私は言った。「咳が
出るんやったらうがいしてきたらどう?。収まるのに」と言ってやった。彼女はベットから起き出して、どうやらうがいに行ったらしい。隣の68才が小声で言った「鼾がうるさいし、ベットはきしむし。寝られた?」「ありがとう。薬もらって飲んだから大丈夫」
 ご飯はディルームで食べた。広々して気持ちがよい。少し新聞でも読もうかと思っていると、斜め向かいへ越してきた女性もディルームへやってきて、色々話しかける。100才の姑の葬式が5日にあってそれを済ませて、何の思い残すことも無く入院したこと。親戚のみんなが立派なこと。子供たちも立派なこと。海外旅行にも度々行ったこと。NTTへ勤めていたこと。小苗キヨ子さんと中が良かったこと。ふんふんと色々聞くことに徹した実践だったと思っている。
 今日はお風呂に入ったよ。一人きりだった。すっきりしたね。ただいま洗濯もしています。カードでするんですがね、テレビも冷蔵庫も洗濯も乾燥もおなじカードで出きるでようになっていて、進んでますね。洗濯粉は買ってきましたが、、。
 ミエ子さんが穴子すしとジュースを買ってきてくれた。冷蔵庫に入れなくっちゃ。で、カードを買ったわけだ。洗濯もするし色々役に立つね。
 午後5時30分頃 院内探訪に出かけた。たった10分足らずであったが。
三階の部屋を出て渡りローかをわたって東へ。マタニティセンターの階段を一階へ降りる。途中二階の踊り場で「うん」と言う状況に出合った。背広を着た若者がいっぱい居る。一寸さけて一階へ下りる。一階には、内科、外科、小児科・産婦人科・眼科、整形外科、精神科、神経内科耳鼻咽喉科、麻酔科、皮膚科・内科中央処置室、外科中央処置室、地域医療室等々の診療室が連なる。昼間は患者でいっぱいだが、この時間帯は看護師さん、医務局員、事務職の方たちが帰り支度で通る程度。東の端から西の端まで。中央に受付があって、エスカレーターはすでに止まっている。まだお金を払っている人がいる。薬局、事務室は煌々と電気がついている。まだ働いているんだ。
 西の端には売店と食堂と、理容店がある。水曜と木曜の営業らしい。自動販売機でパンを売ったりしていて、珍しい。この隅っこに会議室なるものがある。何を会議するのだろうか。
西の端の階段を二階に上がると、いつもお世話になっているレントゲン室・MRI,CT室が
ある。妙なことに、その前のテレビが意味もないお笑いなどを放送していて、そのままになっている。消し忘れているんだ。そこを通り過ぎると、胃カメラ・胃の透視室・一般レントゲン室が1,2室・泌尿器科診察室・採血室・心電図室・腹部エコー室・聴力検査室・肺機能検査室・心臓エコー室等々が続いていて、電気屋さんが大がかりな工事をしていた。真っ赤な電線を天井の中へ入れている様だった。昼間できないので夜中にするんでしょうか。大変ですね。
 渡り廊下をわたって東館へ。先の「うん」と思った状況が何か判った。つまり、東館の二階は、事務室と医局室、その奥にはデーター室と立派な図書室。医局室つまりお医者様の部屋なのだ。病医院長・副医院長・看護部長さんの部屋もあるらしいよ。その前に、背広を着た若者が10人以上列を作って面会を待っている。曜日が決めてあるのだろうか。異様な光景である。薬剤の売り込みか、はたまた機材の売り込みか。賄賂が飛び交っても不思議でない状態を作り出している。そんな中でザイオソフトのソフトを搭載したMRIが入っていることは有り難いことだ。等と思いつつ三階へあがって自分の部屋へ戻った。以上加西病院1〜3階探訪終了 三階には手術室もあるよ。一階西館にはリハビリてーテーション室も立派なのがあるよ。そうそう、救急医療室もね。
 7時50分頃病院を抜け出して事務所に戻り、踊りのDVDをもって病室に帰ったが、このコンピュータではそれを見ることが出来ない。ま、良い運動になったか。
 夜の検温の時間になった。35.6度 完全平熱だ。20.26分。
 看護士さんが「何してんの」と聞いてのぞき込んだ。「日記を書いてる」と言うと、「うらやましい。私、文章が下手ねん」等と忙しい中にも冗談を言って去っていった。

12月8日 後2日になった。夜は今日一日のみ。やれやれだ。私が我が儘なのか。なかなかつらい夜だ。
 夕べ寝るとき、向かいの彼女の夫が付き添いにやってきて、大鼾の彼女の母親が帰っていった。今夜は寝られるぞと思って、薬をもらわずに寝た。ところがなかなか寝付かれない。そうこうするうち、隣の68才のベットがやかましい。時計を見ると12時だ。何?。
米がどうのこうのと小声で話しているつもりが結構大声だ。しばらく我慢していたが、「やかましいで、そんな話、昼来てして」と言ってやった。そうこうするうち、ベットがきしむ音がする。静かになった。が、帰っていった気配がない。何してるんだろうと思っていると、二重奏の大鼾だ。旦那がベットに入って寝ているらしい。「ここへ上がり」と言っていたような気がするが、なんと非常識にもほどがある。ついにたまりかねて眠れる薬をもらいに行った。薬を飲んでも眠れるはずがない。すごい大鼾なんですから。でも後の三人(患者が二人と付き添い一人)は黙っている。偉いねえ。
 朝の体温は36.6度。微熱が出ている。眠れなかった性だ。隣の68才は石見さんと言う中富の人らしい。「夕べはごめんね。主人は酒によってて、タクシーでここまで帰って来たらしい。で、ここで寝て帰りと言うてん。やかましかったやろ、ごめんね。ごめんね」と何度も言ってくれた。ま、仕方がないか。納めよう。

 看護師の中村さんの甲高い声だ。あのくらい明るくないと勤まらないわなー。8:55
また看護師さんの忙しい一日の始まりだ。くすりを飲んで、体温と血圧をはかって、ただ寝ているだけの入院も辛いねぇ。点滴も辛いけど。
 斜め向かいの城谷さん、昼食時「おもゆ」よりひどい流動食が出たらしい。朝は「普通食」だったらしく「良く噛んで食べたけどね。朝は間違いだったんですって」「へええそれで良いのかしら。大変なことになるかもしれないよねぇ。良く噛んで食べて良かったね」とは私。医療ミスが多い中、これも一種の医療ミスですよね。何も無ければ良いが、、。
というのは、この城谷さん、大腸かどこかのポリープを11個も括ったんだそうで、大変な手術後だったんですよ。口から入れると言っていたから、大腸じゃないかもね。お見舞いの人も引きも切らさず、良いお人の様ですね。
 城谷さん、お元気そうに見えたが肝硬変だって。肝臓のポリープを括る手術をなさったようで。年寄り三人で野菜作りの話に花が咲いていたところで、夕食となった。リクエストのハンバーグが来たが、案の定オーストラリア産の肉でおいしくない。ゲップをしてもあがってくる感じで、、、。
 蓬莱医師がこられて、「明日いよいよ退院ですね。お昼過ぎに注射をするよう言って於きましょう。腕の青くなった部分、痒いでしょう。さわったらだめですよ。両腕に交互に打つ様にしましょう。」と言うことで、いよいよ最後の夜になった。今日も眠れるかしら。