硯石の傷

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硯石の傷 なんだと思いますか。墨を摺っていて、この真ん中に一寸墨を立てたまま、ほかの用事をしていた。時間にすれば15分ぐらいだったと思う。戻ってみると立ったままの墨はびくとも動かない。苦肉の策で裁ちばさみで、コンコンとたたいて、やっと取れた後だ。なんと墨が壊れるのではなく、硯石が墨にくっついた形で取れたのだ。墨のあと形が四角いのは、小さくなった墨を長い墨にくっつけて、摺っているせいである。

くっつける方法は、両方の墨を摺って摺った墨が付いたままで、二つを合わせる。そうすることによって、最後の最後まで墨を摺って使うことが出来る。ありがたい事である。