くすっと笑ってしまうことがあった

栗田の信号で信号待ちをしていた。栗田の信号は、栗田の村から中国自動車道をくぐって、市街地へ降りてくるところだ。横切る道は中国自動車道の側道。私は北に向かって止まっていた。すなわち中国自動車道が正面にあるわけだ。
二人組の作業者らしき人が、梯子を掛けて、中国自動車道の土手へ上がろうとしていた。二人ともヘルメットを被っている。一人目は無事上に上がった。二人目も上がって梯子を引き上げ、草のいっぱい生えた土手を歩きかけた。高速道路の土手から、「この奥・公衆便所」という看板が下がっている。一人目はその下をうまい具合に潜り抜けた。二人目は梯子を担いでうつむき加減に歩いている。大丈夫かなと思ってみていたら、案の定その看板に頭を打ち付けた。失礼ながら私はく「すっ」と笑ってしまった。ほんの信号待ちの一瞬の出来事ではあった。ヘルメットを被っていたので、彼は何事もなかったように、土手を歩いて行った。おわり。