「流れに棹さす」と言う言葉が職場の教養に出て来た

「流れに棹さす」という言葉がある。これは、時流に逆らうのではなく、流れに乗って勢いをつけると言う意味だ、とある。
夏目漱石の「草枕」の冒頭に、「山道を登りながら、かう考えた。知にはたらけば角が立つ、情に棹させば流される、とかくにこの世は住みにくい。」というのがある。この中の「情」は、私は「情け」と読んだ。高校一年生の時だった。なかなか難しい本を従兄弟がプレゼントしてくれた。情けに棹させば一緒に流されてしまう。自分自身がしっかりしなければならない、と言う風に読んだが、、、、。
何故かこの本の冒頭は忘れられない。五十年以上経った今も。