人生で一番古い記憶かな

お題「人生で一番古い記憶」

あれは私が3歳になっていたかどうか。妹が肺炎で亡くなった。生まれて7-8か月だったと思う。お乳を飲んでいたからもっと小さいかもしれない。母が私にその時お乳を飲んでほしいといった。私は母のお乳に食らいついて一生懸命吸った。けれど、全然でなかった。どうやっても出なかった。母は痛い痛いといいながら、何かの器にお乳を搾りだしていた。もう吸い方を忘れてしまっていた。

人力車でお家に帰った。人力車のおじさんが妹のことを「よく寝てるね」といった。私は妹が死んでしまっていることは知っていた。けれどこれは寝ていることにしなくてはいけないのだと、しっかりと理解していた。すごい記憶だと思う。